ノーベル賞受賞の大村さんしみじみ「言葉出ない」


「楽しかった」梶田さん笑顔

ノーベル賞受賞の大村さんしみじみ「言葉出ない」

授賞式を終え、ノーベル賞のメダルを見せる東京大宇宙線研究所長の梶田隆章さん(左)と北里大特別栄誉教授の大村智さん=10日、ストックホルム(時事)

 荘厳な舞台で、栄誉のメダルが授与された。ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)は「言葉が出ないくらい感動した」と喜びをかみしめ、物理学賞の梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)は「楽しかった」と満面の笑みを浮かべた。

 授賞式はアルフレッド・ノーベルの命日に当たる10日、ストックホルム中心部のコンサートホールで午後4時半(日本時間11日午前0時半)に始まった。受賞者はオーケストラの演奏とともに壇上へ。先頭はえんび服姿の梶田さん。大村さんも続いた。

 作曲家・武満徹の「ワルツ」が奏でられた後、物理学賞の選考委員が梶田さんらの功績を紹介。梶田さんは舞台中央に進み出て、スウェーデンのカール16世グスタフ国王からメダルと賞状を受け取った。ファンファーレが鳴り響く中、国王と笑顔で握手を交わした。

 大村さんはメダルと賞状を手にすると、国王の手を固く握り、繰り返し頭を下げた。

 授賞式を終えた大村さんは「言葉が出ないほど感動した。緊張した」としみじみ。梶田さんは「良かった。楽しかった」と笑顔を見せた。

 大村さんは妻文子さん(故人)の写真を胸にしのばせ、会場では長女育代さん(43)が見守った。梶田さんの妻美智子さん(57)も感慨深い様子で、壇上の夫の姿を確かめていた。(ストックホルム時事)