「非常に光栄だ」、梶田隆章さんが公式会見
「神岡から次のノーベル賞を」、自負と期待のぞかせる
素粒子ニュートリノの研究で、今年のノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)は7日午前(日本時間同日午後)、ストックホルムのスウェーデン王立科学アカデミーで化学賞や経済学賞の受賞予定者らと公式の共同記者会見に臨み、「このような場に立てて非常に光栄だ」と語った。
素粒子物理学の今後の発展について、梶田さんは「もっと深い理解が必要。次の段階の素粒子物理学の入り口に立ったばかりだ」とさらなる研究に意欲を示した。
梶田さんの師、小柴昌俊・東大特別栄誉教授(89)は2002年に同じ物理学賞を受賞した際、弟子がノーベル賞を取ってほしいと語った。小柴さんや梶田さんの研究成果は、岐阜県飛騨市の神岡鉱山地下に建設された観測施設カミオカンデと後継のスーパーカミオカンデで生まれた。
梶田さんは「私の夢は将来、ノーベル賞がまた神岡で行われた研究に与えられることだ」と語り、今後も素粒子物理学をリードしていくことへの自負と期待をのぞかせた。
若い研究者に贈る言葉を報道陣から日本語で求められると、梶田さんは「このような機会に恵まれるかもしれないので、頑張って研究してもらえれば」と呼び掛けた。
梶田さんはグレーのスーツに青のネクタイ姿。やや緊張した様子ながら、司会者の冗談に笑顔を見せるなど、にこやかに受け答えしていた。(ストックホルム時事)