文化審、近衛文麿旧宅が史跡に
9件を史跡に答申、屏風ケ浦や西山御殿跡は名勝
文化審議会(宮田亮平会長)は20日、東京都杉並区にある荻外荘(近衛文麿旧宅)や高知市の土佐藩主山内家墓所など9件を国の史跡として新たに指定するよう馳浩文部科学相に答申した。
名勝には千葉県銚子市の屏風ケ浦と、史跡にも選ばれた茨城県常陸太田市の西山御殿跡(西山荘)を選定。屏風ケ浦を含む天然記念物5件と、登録記念物3件の新規登録も求めた。いずれも近く答申通り指定される。
荻外荘は首相を3度務めた近衛文麿の別邸で、日独伊3国の連携強化など、戦前の日本の転換点となった事項に関する会議が何度も開かれた。歴代藩主の墓塔が並ぶ山内家墓所は大名の墓や葬儀の形を知る貴重な資料とされた。
屏風ケ浦は千葉県北東部に広がる海食崖で、歌川広重の「六十余州名所図絵」など多くの絵や作品に描かれ、地質学的にも価値が高いとされた。