小笠原諸島・西之島の噴火確認から2年


海保が観測結果を公表、活動は依然活発

小笠原諸島・西之島の噴火確認から2年

活発な噴火活動が2年にわたり続く小笠原諸島・西之島=17日(海上保安庁提供)

 小笠原諸島・西之島(東京都小笠原村)の噴火確認から2年となった20日、海上保安庁は同島の観測結果を公表した。火山活動は依然として活発で、担当者は「2年間も継続してマグマが供給されるのは珍しい。毎月観測のたびに島の様子が変わっている」と語る。面積は噴火前の旧西之島の約12倍に拡大した。

 海保によると、航空機による観測を行った今月17日には火口で爆発的な噴火があり、噴煙は上空約300メートルに達した。大きな噴石が火口から半径1キロの範囲に飛散していた。

 面積は、東京ドーム約56個分の約2・64平方キロ。8月の観測以降、波の浸食で面積は若干減少しているものの、昨年10月に観測した約1・89平方キロよりも拡大した。

 2013年11月20日に海底噴火が確認され、新島が出現。流れ出た溶岩で旧西之島と一体化した後も拡大を続けた。海保はほぼ毎月航空機による観測を行っているが、今年6~7月に初めて無人調査船などを使った調査を行い、噴出した溶岩などの量を約4億トンと推計した。調査ではカツオドリの飛来も確認された。

 海保の佐藤雄二長官は「壮大な島の形成を目の前で見られ感動している。管轄海域の起点になる重要な島なので、今後も観測を継続していく」と話した。