東京理科大、模擬堤防でを使った再現実験公開
9月の鬼怒川水害受け、開始から30分弱で決壊状態
茨城県常総市で9月に鬼怒川の堤防が決壊した水害について、東京理科大の二瓶泰雄教授(河川工学)らは17日、模擬堤防を使った再現実験を公開した。堤防を越えた水で斜面が削られ、崩落していく様子が視覚的に明らかになった。
実験は千葉県野田市の同大野田キャンパスで実施。全長20メートル、幅1メートル、高さ1・8メートルの水路に、土砂で作った高さ1メートルの模擬堤防を設置して行った。鬼怒川の堤防は高さ4メートルで条件は異なるが、越水させた上で水の流量を徐々に増やし、影響を観察した。
その結果、堤防を流れ下る水によって土砂が削り取られていき、開始から30分弱で決壊状態となった。ただ、今回の模擬堤防は鬼怒川の堤防に比べ、斜面に植物がないなどより浸食されやすい条件だった。二瓶教授は「河川堤防は越水に対してもろいので、迅速な避難が必要」と指摘している。