オランダ人男性の別れの手紙、71年経て家族に
ナチス・ドイツ強制収容の父から
第2次大戦中、ナチス・ドイツの強制収容所に送られたオランダ人男性が妻子らに宛てた手紙が見つかり、71年を経て家族に届けられた。既に高齢の子供らは「心が揺さぶられる」と抑え切れない感動を語った。
オランダのメディアなどによると、手紙はオランダで反ナチス活動をしていたペーター・ビルさんが1944年に収容所に移送される際に書いた。「家に帰りたい」と吐露し、家族には「信仰を強く持てば、どんな困難も乗り越えられる。心の中で皆を抱き締めるよ」とつづった。
手紙は収容所で没収され、ペーターさんは家族の元に戻れないまま死亡した。関係者が今年、ドイツの文書照会システムを通じて手紙や写真を発見した。息子のベアトさん(92)は「気持ちが落ち着くまで時間がかかる。今は何度も読み返したい」と語った。(パリ時事)