中国で「独身の日」、「爆買い」1日で1・6兆円


史上最大の商戦に、楽天も参戦

中国で「独身の日」、「爆買い」1日で1・6兆円

中国・北京で10日、「独身の日」の値下げ商戦開始前のイベントに出席した電子商取引最大手・阿里巴巴(アリババ)の創業者・馬雲(ジャック・マー)会長(中央)(AFP=時事)

 中国では、「1」が並ぶ11月11日を「独身の日」と定め、ここ数年間、インターネット通販大手が大幅な値下げ商戦を展開し、社会現象になっている。中国電子商取引最大手・阿里巴巴(アリババ)が運営する通販サイトの売上高は11日、史上最高の約850億元(約1兆6400億円)に達すると見込まれる。経済減速にもかかわらず、「爆買い」の勢いはとどまらない。日本の楽天も参戦している。

 セールス開始は11日午前0時(日本時間同1時)。「1分12秒で10億元、12分28秒で100億元」。勝負は目当ての人気商品が残る午前2時ごろまで。アリババは自社の微博(中国版ツイッター)で刻々と増え続ける売上高を伝え、午前11時50分、昨年の571億元(約1兆1000億円)を突破したと発表した。

 「双11(11月11日)」と呼ばれる値下げ商戦は、2009年にアリババが「ひとり者」を対象に「自分にプレゼントを買って」という触れ込みで始め、若者らの間に定着した。ネット通販が中国社会に浸透する中、「双11」の売上高は12年に191億元、13年350億元と上昇を続けた。

 アリババによると、同社の創業者・馬雲(ジャック・マー)会長は商戦開始前の10日夕、李克強首相の関係者からの電話で「首相は『双11』にお祝いと励ましの意を表している。時間がある時に消費者の皆さんらに会う機会をつくりたい」との伝言を受け取った。中国政府としても景気への懸念が強まる中、旺盛な消費熱を維持したいところだ。

 「双11」では多くの商品が半額程度に値下げされる。日本大手家電メーカーのパン焼き器は定価1980元が1099元で売られた。

 一方、楽天は中国の消費熱を取り込もうと、昨年に続き「シングルズデー・スペシャルズ」と銘打ち、日本の商品を販売するサイトを立ち上げた。24日までの期間中、11元の格安目玉商品を日替わりで数量を限定して販売しているが、11日に登場した日本ブランドの子供靴は早速売り切れた。(北京時事)