日本式工科大MJIIT、1期生が卒業


マレーシアが目指す「東方政策」の集大成

日本式工科大MJIIT、1期生が卒業

「マレーシア日本国際工科院」(MJIIT)を卒業した第1期生ら=25日、マレーシアのジョホールバル(時事)

 マレーシアが日本をモデルに経済発展などを目指す「東方政策」の集大成として、2011年に開校した工科系大学「マレーシア日本国際工科院」(MJIIT)の第1期生73人の卒業式が25日、同国のジョホールバルで開かれた。MJIITでは、日本の支援を受け工学教育を実施。日系企業に就職する卒業生もおり、両国関係を深める懸け橋として期待されている。

 MJIITは01年、東方政策を提唱したマハティール首相(当時)が、日本式の工学教育を行う大学設置を小泉純一郎首相(同)に提案したことがきっかけで設立された。国立マレーシア工科大学の傘下に設けられ、キャンパスは首都クアラルンプールにある。

 日本側は、国際協力機構(JICA)の円借款を通じ、研究活動に必要な機材やカリキュラムの整備を支援。慶応大学など26大学が教員を派遣したり留学生を受け入れたりし、企業はインターンシップを実施している。

 MJIIT関係者は、教授を中心に教員や学生がグループで研究に当たる「講座制」をはじめ、日本の工学教育の手法を導入していると説明。「チームワークや時間管理といった日本の優れた価値観も教えている」と話す。

 卒業生のブーン・チン・ヤップさん(24)は「日本は電子工学が進んでいるため、MJIITへの進学を決めた」と話す。日本の計測機器メーカーに就職する予定で、「日本で働くのを楽しみにしている。もっと日本語を勉強しないと」と笑顔で抱負を述べた。(ジョホールバル〈マレーシア〉時事)