「家でゆっくりしたい」ノーベル賞梶田さん


自宅のある富山市で、妻美智子さんと記者会見

「家でゆっくりしたい」ノーベル賞梶田さん

今年のノーベル物理学賞が贈られる梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)と妻美智子さん(56)が16日、自宅のある富山市で記者会見した

 素粒子ニュートリノの研究でノーベル物理学賞が贈られる梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)は16日、受賞決定後初めて自宅のある富山市に帰り、妻美智子さん(56)と市内のホテルで記者会見した。6日の受賞決定後、2人が顔を合わせるのは初めて。梶田さんは「久々に家に帰れたのでゆっくりしたい。おいしいお酒を飲みたい」と笑顔を見せた。

 梶田さんは会見直前に富山入り。北陸新幹線でJR富山駅に到着すると、改札付近に居合わせた観光客ら約100人から「おめでとう」の声が響いた。

 ホテルの控室で再会した美智子さんが「お疲れさま」と声を掛けると、梶田さんは「あはは」と、はにかんだように笑ったという。

 再会の感想を問われた梶田さんは「ほぼ毎日電話しているので、久しぶりの感じがしない」。美智子さんも「テレビに映っていたので」と答えつつ、「疲れた顔をした日があった」と体調を気遣った。

 梶田さんは妻の長所を「たまに落ち込むところがあるけど、概して落ち込まないことが多い。明るいところ」と表現。美智子さんは夫の長所について「誠実でおおらか。家族を大事にしてくれる」と話した。

 夫妻は1995年、ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)に近い富山市に転居。梶田さんは現在単身赴任中で、週末などによく富山に帰るという。

 17日は東京でイベントがあり、梶田さんも出席予定。多忙な日々が続き、12月の授賞式のスピーチはこれから考える。晩さん会ではダンスの時間もあるが、梶田さんは「できればやりたくない」と言い切った。