親は乳幼児期の子供と愛着関係を築こう


日本財団がシンポジウム、ジーナ教授が特別講演

親は乳幼児期の子供と愛着関係を築こう

 乳幼児期に親と愛着関係(子供と母親との心理的な結びつき)がなかったことなどの原因で、自尊心や表現能力などが低下し、衝動的な行動が出る「愛着障害」をテーマにしたシンポジウム(主催・日本財団)が30日、東京・赤坂の同財団ビルで開かれた。

 特別講演したチューレイン大学(米国)のチャールズ・H・ジーナ教授は、施設に預けられている子供の愛着についての研究を紹介。施設の子供は養育者が多数いるため、1人の人間と愛着関係を築くことができずに愛着障害を引き起こしやすいと指摘した。

 また、2歳以下で里親に引き取られるか親元に帰った子供は、4歳まで施設にいる子供より今後の愛着関係を築きやすいとし「できるだけ早い段階で施設の子供を里親や親元へ帰し、子供の健全な成長を社会全体で考えるべきだ」と訴えた。目白大学の青木豊教授は、日本で行われている乳幼児支援の取り組みについて、子供の欲求や対応をDVDで学ぶ「安心感の輪プログラム」などを紹介した。