スマホのアプリで富士登山者と情報やりとり
静岡県は災害備えて無料アプリ「コンパス」で実験
御嶽山の噴火災害を機に、登山者に火山情報をどう伝えるかが課題になる中、静岡県は4日、スマートフォン向けアプリを利用して、富士山の登山者と災害関連情報をやりとりできるか確かめる実証実験を行った。登山の安全性を向上させる連絡手段の一つとして、今年度中にシステムを整える予定だ。
実験には日本山岳ガイド協会の無料アプリ「コンパス」を使用。県職員8人が登山者としてアプリで入山届を提出し、三つのルートで富士山に登った。
途中で気象庁から「火山性地震が増えてきた」との情報が出たと想定し、県は入山届で登録されたアドレスにメールを送り注意を促す一方、全地球測位システム(GPS)の位置情報から登山者の避難状況を把握した。
また、病人が発生した事態も想定。別の2種類のアプリで、登山者同士や医療関係者とやりとりできるか確かめた。
同県の外岡達朗危機管理監兼危機管理部長は「実際に運用する上ではいろいろ課題が残っているが、これらのアプリを活用することで登山者の安全や速やかな避難誘導につながる可能性がある」と話した。