王貞治さん鮮やかなストライク、100年で始球式
全国高校野球開幕、スタンドから歓声
第97回全国高校野球選手権大会が開幕した6日、1957年春の選抜大会優勝投手で、同年夏の全国選手権でノーヒットノーランを達成した東京・早稲田実OB王貞治さん(プロ野球ソフトバンク球団会長)が始球式を行った。久しぶりに立った甲子園のマウンドから、こん身の一球を投じた。
高校時代同様のノーワインドアップ投法。バウンドせずにストライクで北海の渡辺翔太捕手のミットにボールが収まると、スタンドから大きなどよめきと歓声が上がった。王さんは「選手たちが見ていたし、いい球を放らないと、と思って投げた。内心どきどきで、恥をかかずにすんだ」と、ほっとした表情だった。
プロ野球で本塁打王、監督として成功を収め、高校野球100年の節目にプロとアマの架け橋役として選ばれた。甲子園大会でプロ経験者の始球式は初めて。「75歳になってもこういう形で迎えられることは光栄なこと。選手には150年、200年と受け継いでいってほしい」と高校野球の今後の隆盛を願っていた。