国産ウイスキー、品薄感が強まる
テレビドラマの影響、訪日外国人に高級品が人気
国産高級ウイスキーの品薄感が強まっている。国産の本格ウイスキーづくりを扱ったテレビドラマの影響で販売が急増したところに、訪日外国人観光客の「爆買い」が加わり、原料である原酒が不足。最大手サントリースピリッツは昨年11月から一部高級品の出荷を制限した。ニッカウヰスキーは、熟成期間の年数を表示した「余市20年」「宮城峡15年」などの製造を8月で取りやめる。
東京・渋谷の東急百貨店本店は和洋酒売り場に、ニッカの「竹鶴」、サントリーの「響30年」などは予約を受けられないというはり紙を出した。入荷のめどが立たないことがその理由だ。ウイスキーの品ぞろえが多い店とされるが、「最近は『昔から飲んでいるのに手に入らず困っている』とこぼす年配のお客さまがいる」(平好美セールスマネジャー)という。
販売が伸びたきっかけはニッカの創業者竹鶴政孝氏をモデルにしたNHKの連続テレビ小説「マッサン」だ。しかし、新浪剛史サントリーホールディングス社長は「マッサン効果があり日本だけでウイスキーが売れているというのは大間違い。世界でプレミアムウイスキーが売れている」と指摘する。
日本製ウイスキーを求める愛好家が海外でも増え、東急百貨店は昨秋から訪日客への免税販売を強化、売り上げを伸ばした。平氏は、訪日客に人気が高いのは「圧倒的にサントリーの『山崎』」と明かし、特に熟成年数が表示されたものに興味が集まっているという。