ひび割れた氷の平原、カロンにクレーター


米探査機ニューホライズンズが冥王星の詳細画像を撮影

ひび割れた氷の平原、カロンにクレーター

冥王星のひび割れた氷の平原。ハート形の明るい地域にある。探査機ニューホライズンズが14日に約7万7000キロ上空から撮影した(左下の棒線は30キロ強)(NASA提供)

 米航空宇宙局(NASA)は18日までに、探査機ニューホライズンズが冥王星や最大の衛星カロンに最接近した前後に撮影した新たな画像を公開した。冥王星のハート形の明るい地域の中にはひび割れた氷の平原があったほか、カロンの画像にはクレーターや大きな山が鮮明に写っていた。

 一酸化炭素やメタン、窒素が凍結した氷がひび割れた平原は、氷の山脈地帯の北側にある。ひび割れた理由は、泥の表面が乾き、縮んで割れるような仕組みか、内部のわずかな熱によって流動した可能性が考えられるという。

 微小な天体が衝突した場合にできるクレーターが見当たらず、形成されたのは約1億年前と、比較的新しいとみられる。

 14日の最接近の際には、明るい太陽が冥王星(直径2370キロ)に隠されるタイミングを利用し、冥王星を取り巻く大気の観測も行った。主に窒素から成る大気は、地表から上空約1600キロまで拡散していた。

 大気の上層は太陽の紫外線によってイオン化している。「太陽風」と呼ばれる太陽から押し寄せる電気を帯びた粒子の流れによって一部が剥ぎ取られ、宇宙に消えているという。