女子野球「マドンナ・ジャパン」が米国見参


W杯5連覇目指して

女子野球「マドンナ・ジャパン」が米国見参

米国遠征中に米野球殿堂を訪れた女子野球日本選抜チームのメンバー=10日午後、米ニューヨーク州クーパーズタウン(時事)

 サッカー女子ワールドカップ(W杯)決勝の後、野球でも日米の戦いがあった。女子野球の日本選抜チームが10~12日に米国遠征を行い、ニューヨーク州クーパーズタウンで米国代表と4試合を実施。5連覇が懸かる2016年W杯(韓国・釜山)に向けて、最大のライバル米国を知る貴重な機会となった。

 日本代表「マドンナ・ジャパン」に若手選手を加えた遠征チーム。今回は自費参加のメンバーという事情から、内野手が捕手を務めるなど苦しい布陣でやり繰りしながら、2勝2敗で渡り合った。エース里綾実(ディオーネ)が貫禄の投球を見せ、若手も経験を積むことができた。

 里は投球回数を控えめにし、2試合計4回を無失点。速球とスライダーを武器に、パンアメリカン大会を控えたベストメンバーで臨んだ米国打線をほぼ完璧に抑えた。それでも、相手の印象は「(W杯で戦った)去年よりまとまっている感じ。身体能力も高いし、より怖いチームになった」と警戒して話した。

 第1戦で2回を投げて4三振を奪った19歳、笹沼菜奈(平成国際大)も「投球も大事だけど、(代表として)見られているという意識を持たないといけない」と気を引き締める。大倉孝一監督には、米国を上回る力を示すことで日本の女子野球普及につながるとの信念がある。「国内の環境づくりを進めるためにも勝つことが大事」と話す。

 選手は、大リーグのイチロー(マーリンズ)が使ったバットなどが展示される米野球殿堂博物館も訪れた。全日本女子野球連盟の長谷川一雄会長は「彼女たちには将来、連盟の幹部になってほしい。『野球の聖地』に来た経験は今後に生きる」と遠征の意義を強調した。(ニューヨーク時事)