「大関照ノ富士」が誕生、綱をにらむ大器


平成生まれ初モンゴル勢5人目、「上を目指して頑張りたい」

「大関照ノ富士」が誕生、綱をにらむ大器

大関昇進の伝達式で口上を述べる照ノ富士(左から2人目)=27日午前、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋

「大関照ノ富士」が誕生、綱をにらむ大器

大関昇進の伝達式を終え、部屋の仲間の肩に乗る照ノ富士(中央上)=27日午前、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋

 大相撲の照ノ富士(23)本名ガントルガ・ガンエルデネ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋が27日、平成生まれ初の大関に昇進した。「今までで一番うれしい。期待に応えられるように頑張りたい」。ものに動じない大器が、初心に帰ったような口調で語った。

 191センチ、178キロの恵まれた体を生かした取り口。日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)は「この若さで上がるのは久しぶり。前に出られる力がある。どう育っていくのか楽しみ」。粗削りな部分もあるだけに、この先どこまで力を伸ばすか想像できない様子だ。

 周囲の期待以上に、本人は目指すところを明確に意識している。昇進伝達式後の記者会見で「どんな大関を目指すか」と問われると、「さらに上を目指して頑張りたい」と答えた。「なれる人はなるし、なれない人はなれない。自分でやることをやるだけ」。看板力士の一人になっただけでは満足せず、既に最高位をにらんでいる。

 横綱を目指すには、腰高の立ち合いの改善や右四つの形を磨くことが必要となる。「前に出る力をつけて、ちゃんとやっていきたい」と照ノ富士。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)にとっても、大きな頑張りどころだ。「もっと厳しい指導になるでしょうね。(稽古で)1回くらい泣かそうかな」。まな弟子の意欲と、豊かな素質を無駄にするつもりはない。