キチガイ豆は泥棒よけに、天からの贈り物
かゆみ生じるフェイジャン・マルーコが繁茂
アフリカで生活することは容易ではない。泥棒、強盗などは日常茶飯事だ。どんなあばら家であれ、鉄格子の無い家はない。
最近も隣家の若者が侵入して、果物を盗むことが頻発していたので、労働者たちと庭の囲いをつくった。敷地は1㌶ある。
木のくいを50㌢間隔で打ち込み、半分に割いた竹を渡して、針金で結わえただけ。自動車修理屋でもらった廃油を塗って仕上げた。囲いに触れると、廃油で手や衣類が汚れるので、泥棒の侵入を防ぐには安上がりで効果的だ。
そんな中「今年の雨期のせいで、家の周りに豆科の植物が異常に繁茂している」と、警備員のアントニオさんが伝えてくれた。
この植物は、豆が殻からはじけ出る頃、触れると、かゆみを生じるという。
「この地方じゃ、フェイジャン・マルーコ(キチガイ豆)って言うんだ。これが生えている所には誰も近寄らないさ。泥棒よけにはもってこいだ」と。
嫌われものの植物のようだが、われわれには天からの贈り物だ。(ベイラ<モザンビーク>宝山晶子通信員)