甲子園球児の佐々木翔斗さん、新たな夢へ
龍谷大平安の内野手、ボートレース養成学校へ入学
甲子園球児がボートレースに挑戦する。昨春の選抜高校野球大会で優勝した龍谷大平安(京都)のベンチ入り内野手だった佐々木翔斗さん(18)が、日本モーターボート競走会の第118期ボートレーサー試験にスポーツ推薦枠で合格。4月1日からレーサー養成機関「やまと学校」(福岡県柳川市)に入学し、来年5月のプロデビューを目指している。
レーサーを志したのは、中学生の頃に連れていってもらった大阪・住之江競艇場でトップレーサーの松井繁選手を見たのがきっかけ。「かっこいい。将来はレーサーになる」。小学校から始めた野球に打ち込みながら、思いを募らせていた。
卒業を控えて大学の野球部に誘われたが、悩みながらも未練を断ち切った。「野球は甲子園である程度の夢は達成できた。だから、次もあえて厳しいところに飛び込みたかった」。野球ではハンディだった170センチ弱の小柄な身長を生かし、個人の力で高収入を稼ぐ世界に魅力を感じたという。最初は反対していた父親も熱意に根負けし、最後は応援してくれた。
今年の入学志願者は1596人で、合格者は36人。やまと学校の訓練は軍隊に形容されるほど厳しく、途中退学者も多い。だが、佐々木さんは「高校の練習もきつかった。歯を食いしばって食らい付いていく」と覚悟をにじませる。
目標は「ファンに信頼してもらえる選手になること」。そのためには、常に勝てるトップレーサーにならなければならない。「モーター(エンジン)整備など、知識もしっかりと勉強したい」。新たな夢は膨らんでいる。