NASA、木星の衛星ガニメデに地下の海
深さ100キロ、地球より豊富な水
米航空宇宙局(NASA)は12日、木星の衛星ガニメデの地下に海が存在することを示すこれまでで最も確かな証拠が見つかったと発表した。地球と同じ塩水の海で、地球上の水量より多いとみられる。水の発見は生命を探す上で鍵となる。
太陽系最大の衛星であるガニメデに海があるという証拠はハッブル宇宙望遠鏡を使った観測で得られた。海は地下150キロにあり、深さは地球の海の10倍にもなる100キロに達するとみられる。
ドイツのケルン大学などの研究チームはハッブルを使ってガニメデのオーロラを観測した。木星の磁場が変化するとガニメデのオーロラに「揺れ」が生じる。磁場に影響を与える塩水の海があれば、この揺れの度合いが小さくなるため、観測で確かめたという。
ガニメデに海があるとの仮説は1970年代からあった。NASAの木星探査機ガリレオは2002年にガニメデの磁場を観測したが、海の存在を示す十分な証拠は得られていなかった。(ワシントン時事)