ハリルホジッチ氏、高い意欲で日本を導く


日本代表新監督に決定、13日来日、初采配は27日

ハリルホジッチ氏、高い意欲で日本を導く

パリのシャルル・ドゴール空港から日本へ出発するハリルホジッチ氏(左)=12日(時事)

 当初はあくまで複数いる候補者の一人だったハリルホジッチ氏だが、2月中旬に霜田強化担当技術委員長が情報収集のため海外に赴いた際に、一気に意中の人に浮上した。帰国直後の技術委員会で第一候補に絞り込まれたが、霜田委員長の意見が強く反映されたと言われている。

 ハリルホジッチ氏がフリーの身で交渉に支障が少なく、代表、クラブ、国や地域を問わず、異なる環境で常に結果を出してきた実績もある。さらに、霜田委員長が直接会った際に、既に日本の長所、短所を把握し、実際にどう戦うかイメージを持っていたという。「いろんな代表監督のオファー、ビッグクラブを断って日本を選んでくれた。非常に高い意欲で日本の新しいプロジェクトをやりたいと言ってくれた」と霜田委員長。

 「東欧の知将」と言われる。チームの特性を生かすことにたけ、戦略家で勝利に貪欲。選手にはハードワークを求め、規律を重んじる。霜田委員長は、「非常に厳しい監督。勝利のために一切手を抜かず、勝利のために完璧主義者でありたいと言っている」と評す。

 所属クラブや協会と対立し、職を辞した過去もある。決して扱いやすい監督ではないだろう。だが、日本は昨夏のW杯で目標に届かず、1月のアジア杯も不本意な成績に終わった。「ぬるま湯モード」さえ漂う日本が刺激を受け、再び世界を目指す道を歩み出すには、うってつけの存在かもしれない。