安部篤史、大舞台「死に物狂いでやる」と決意
シンクロ男子、初の世界大会へ
男子のシンクロ選手として初めて世界選手権に臨む安部篤史は、やや緊張した表情で記者会見に出席した。「まさか自分がここにいるとは想像できなかった」。女子ばかりの日本代表に加わり、感慨深げに話した。
これまでは水中ショーを行う団体で活動。男子選手の競技会出場が認められなかった「世界」の大舞台とは、無縁と思っていたという。しかし国際水泳連盟が今夏の世界選手権で男子の出場を認め、今月実施された初の代表選考会で1位に。32歳は「日本のシンクロが築いてきたものを壊さないよう、死に物狂いでやる」と決意を口にした。
出場種目は男女混合デュエット。初の合宿が22日に始まり、当面は基礎の動きを学ぶことに没頭する。花牟礼雅美コーチは「伸びしろはものすごくある。1カ月あればだいぶ変わるのでは」。ペアを組む足立夢実(国士舘シンクロク)は、ロンドン五輪など大舞台の経験が豊富。表現力に欠かせない技術の差はまだ大きいが、急成長する可能性を持っている。
新種目にはロシアやスペイン、フランスなどシンクロ強豪国も参加する見通し。安部同様、ショー出身の男子が出るとみられる。メダル獲得を目標に掲げる日本ペアに、井村雅代ヘッドコーチは「世界の舞台で思い切り戦ってほしい」と期待を寄せた。