木登り名人が多いモザンビーク人
「カタナ」と呼ばれる鉈で、マンゴーの太い幹や枝を剪定
モザンビーク人は木登りがうまい。高温多湿の雨季(10~3月)は、植物が繁茂して、家の庭が森のようになる。そこで枝を剪定(せんてい)してもらうことにした。学校の用務員たちにお願いしたら、二つ返事で、するすると15㍍もあるマンゴーの木に登ってくれた。40代のマシャモさんや、間もなく60歳になるジャシントさんが、「カタナ」と呼ばれる鉈(なた)で、太い幹や枝をどんどん切り落としていく。
カタナは南アフリカ製が良質だ。1、2時間もすると、木々がさっぱりとしてくる。幼少のころから、よく木に登ってきたという2人は、年を重ねても、木登りがうまい。「地方で育った者なら、60歳くらいまでは、誰でもできるはず」とジャシントさん。
アルマンドさん(写真)はココヤシの実を採る名人だ。ココヤシは25㍍にもなる。先日の朝も、あっという間にココヤシの木に登り、50個ほどのココヤシの実を落とした。そのあと、木陰でココヤシの皮をカタナで切り落とす。彼は1個10円で買い、これを、60円で路上で売る。自動車の運転手がそれを買って、ココヤシの水を飲む。のどの渇きを癒やすには最高だ。水に近い自然な味で、しかも腸に良い。(ベイラ〈モザンビーク〉宝山晶子通信員)