国交省が八ツ場ダムで本体工事起工式を開催
群馬県長野原町で、19年度の完成を目指す
国土交通省は7日、八ツ場ダム建設地の群馬県長野原町で、本体工事起工式を開催した。同省の越智繁雄関東地方整備局長や大沢正明同県知事、萩原睦男同町長、地元選出の小渕優子衆院議員らが出席。越智局長は「地元住民にできてよかったと思っていただけるよう、早期完成に向けて着実に工事を進める」と述べ、大沢知事は「地域の発展に向け、地元住民の生活再建に全力で取り組む」と強調した。
国交省はこの1月、ダム本体を造るために岩盤を露出させる基礎掘削工事を開始。2018年5月までに本体を建設する予定で、貯水状況を確認する試験湛水を経て、19年度の完成を目指す。
八ツ場ダムは、利根川支流の吾妻川の氾濫防止や首都圏の水源確保などを目的に計画され、1952年に国が調査に着手した。総事業費は国内のダム建設で最大の約4600億円。
計画判明後、地元住民の反対運動が起き、水没予定地住民の生活再建案に長野原町が合意するまで33年間を要した。09年には民主党政権が建設中止を表明したが、その後継続へ方針転換するなど、紆余(うよ)曲折をたどった。