「良いコメができた」試験栽培のコメ頬張り笑顔
放射能基準を下回り、東大の本郷キャンパスで試食会
東京大と同大生協は16日、東京電力福島第1原発事故の影響で全町避難中の福島県浪江町で試験栽培され、昨秋に収穫されたコメの試食会を本郷キャンパス(東京都文京区)で開いた。出席した浜田純一学長(64)らは炊きあがった白米を頬張り、「甘い」と顔をほころばせた。
東大などによると、試食会に提供されたコメは、同県川俣町に避難した松本清人さん(75)の指導で作られた「コシヒカリ」と「天のつぶ」。東大などの支援で、セシウムが付着した表土を取り除き、汚染されていない土壌を搬入して栽培した。全袋検査でセシウムが1キロ当たり2ベクレル以下となり、基準値である同100ベクレルを下回った。
松本さんは「非常に心配していたが、良いコメができたと思っている」と笑顔を見せた。浪江町まで約1時間かけて通いながら育てたという。同席した馬場有町長(66)も「一年一年が本当に大切。町が再生できるよう頑張っていきたい」と決意を述べた。