北米自動車ショー、大型とエコの両にらみ


日産自動車、新型ピックアップトラック「タイタン」を出展

北米自動車ショー、大型とエコの両にらみ

新型ピックアップトラック「タイタン」を発表する日産自動車のカルロス・ゴーン社長=12日、米ミシガン州デトロイト(時事)

 米デトロイトで開催中の北米国際自動車ショーでは、米国の景気回復を背景に需要が高まっている大型車が数多く出展される一方、次世代エコカーも相次ぎ発表された。大型車は売り上げの拡大に直結するが、次世代エコカーは莫大(ばくだい)な開発コストがかかるだけにメーカーにとっては頭の痛い代物。米国では燃費規制を一段と強化する動きもあり、メーカー各社は売り上げ追求と環境規制対応という相反する戦略を迫られている。

 米新車市場では、景気回復で消費者の購買意欲が改善する中、ガソリン価格の下落が重なり、昨年後半から特に大型車の需要が急増している。こうした環境下でトヨタ自動車が発表したのは、主力のピックアップトラック「タコマ」。日産自動車も市場規模の大きい大型ピックアップトラック「タイタン」を全面刷新して出展した。日本勢が得意とする燃費の良さをアピールしながら、大型車市場で攻勢をかける狙いがある。

 一方、米国で厳しい燃費規制の導入が想定される中、エコカー戦略を強くアピールする動きも見られた。大型車需要の増加で恩恵を受けている米ゼネラル・モーターズ(GM)は電気自動車(EV)のコンセプトカー「ボルト(Bolt)」を出展。バーラ最高経営責任者(CEO)は「電気が未来の輸送手段の柱になると信じている」と述べるなど、将来的なエコカー需要に期待を寄せた。ドイツ勢ではフォルクス・ワーゲン(VW)がプラグインハイブリッド(PHV)のコンセプトカーを公開したほか、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツも新型のPHVを発表した。(デトロイト時事)