「しらせ」、昭和基地沖接岸
南極の厚い氷を突破
政府の南極地域観測統合推進本部は13日、南極観測船(海上自衛隊砕氷艦)「しらせ」(1万2650トン)が日本時間12日午後8時すぎに昭和基地沖約500メートルの定着氷に接岸したと発表した。第56次南極観測隊はしらせから昭和基地に燃料油をパイプラインで輸送するほか、食料や観測関連物資などの搬入作業を行う。
昭和基地沖の海氷は近年、夏でも厚い状態が続いており、しらせは53次隊と54次隊の2年連続で接岸を断念し、パイプライン輸送ができなかった。55次隊は昨年1月4日に接岸しており、56次隊は難所の突破に苦戦した。
海氷に船体前部を乗り上げるようにし、氷を砕いて進む「ラミング」を計3187回も行ったという。輸送作業が順調に進めば、2月中旬に越冬隊が交代する予定。