NHK朝ドラモデルの吉行あぐりさんが死去
作家の故吉行淳之介氏や女優の和子さんらの母
作家の故吉行淳之介氏や女優の和子さんらの母で、NHK連続テレビ小説のモデルにもなった美容師の吉行あぐり(よしゆき・あぐり)さんが5日未明、肺炎のため東京都内の自宅で死去した。107歳だった。岡山市出身。松竹によると、葬儀は近親者で済ませた。喪主は長女和子(かずこ)さん。
1907年に生まれ、23年に後に作家になった吉行エイスケ氏と結婚。若くして夫を失ったが、美容界の草分けとして戦中、戦後と働き、長男の淳之介氏(94年死去)と和子さん、次女で芥川賞作家となった理恵さん(2006年死去)の3人の子供を育て上げた。
著書の自伝「梅桃(ゆすらうめ)が実るとき」は97年、女優田中美里さんをヒロインに、NHK連続テレビ小説「あぐり」としてドラマ化された。放映中に90歳となったが、その後も長く現役の美容師として、常連客らに対応していた。
和子さんは「107歳まで元気に生きました。幾つもの時代、幾つもの難事を乗り越えてきた母は、あきれるくらい楽天的で、頑固者でした」とのコメントを出した。