NYのタイムズスクエアで電子看板を競う
日本の大手電機メーカーが受注、技術力をPR、広告効果も
パナソニックや三菱電機など日本の大手電機メーカーが、米ニューヨークの繁華街タイムズスクエアで、大型電子看板(デジタルサイネージ)を相次いで受注している。知名度の高い電子看板を手掛ければ、営業面での波及効果も大きい。各社は、映像の美しさや屋外使用での耐久性をアピールし、「世界の交差点」で陣取りを競う。
昨年11月、タイムズスクエアに三菱電機が製作した世界最大の商業用映像装置が登場した。ホテルの外壁3面を使用し、総延長は100メートル、高さは24メートル。約2400万個の発光ダイオード(LED)を活用した電子看板は、観光客ら通行人の視線を集める。
パナソニックは昨年8月、米ナスダック市場の動きを伝える同地区の「マーケットサイト」の電子看板を刷新する作業を完了させた。上場イベントにも使われるため、LEDの交換作業中も映像を途切れさせないよう工夫したという。
同社米国法人のドイル社長は「世界で最も観光客数の多い場所で、当社の技術力を多くの人に見てもらえる」と話す。
タイムズスクエアの中央部のビル上部には、東芝が2008年7月に設置した電子看板が輝く。新年を迎えるカウントダウンの中継映像は、世界全体で10億人が毎年見ると言われ、広告効果は抜群だ。
業界関係者によると、電子看板の市場規模は毎年5~10%前後のペースで拡大しているが、激しい受注競争で「利益面では厳しい」(日本のメーカー)との声も聞かれる。(ニューヨーク時事)