名古屋で警官が褒める「いいネ!!カード」


交通マナーの良い人に渡す、商店街で割引の特典あり好評

名古屋で警官が褒める「いいネ!!カード」

「いいネ!!カード」を示す細井正視巡査部長=2014年12月、名古屋市中区

 街で警察官に呼び止められたら-。ドキッとする人もいるかもしれないが、名古屋では褒められることがある。交通事故死者数で全国最悪が続く愛知県の状況を変えようと、県警中署(名古屋市中区)は交通マナーの良い人に「いいネ!!カード」を渡している。飲食店の割引などの特典もあり、好評だ。

 カードは名刺大で、パトロールの署員が携行。歩道橋で自転車を押して歩いたり、ヘルメットをかぶって自転車に乗ったりしている人を見掛けたら、「あなたのヘルメットいいネ!!」などと書き込んで渡す。伊藤敏男署長の発案で昨年6月に始め、12月下旬までに2800枚以上を配った。

 小中学生の場合は学校に連絡して朝礼や学級で発表してもらい、良い交通マナーを心掛ければ褒められる環境づくりを目指す。中署交通課は「カードをもらった人が周囲に話せば、波及効果を期待できる」としている。

 交番勤務で春に退職予定の細井正視巡査部長(60)は約800枚を配った。「カードは画期的。40年以上の勤務で注意したことはあっても、褒めて交通マナーの良い人を増やしていく活動は初めて」と笑顔を見せる。

 12月のある日、細井巡査部長は中区のJR鶴舞駅付近でカードを配った。歩道橋の下り坂で自転車を押していた同市千種区の主婦瀬川智世さん(25)は「普通のことをしただけなのに褒められてうれしい」。ヘルメットをかぶり自転車に乗っていた同市南区の男性会社員(38)は「(呼び止められ)何か悪いことしたかなと思った。良いことをしていると言われ悪い気はしない」と照れくさそうだった。

 中区の商店街約140店は活動に協賛し、カードを提示した客にサービスを行っている。大須商店街の喫茶店「コンパル大須本店」はコーヒーを除くソフトドリンクが50円引きに。山口篤店長(52)は「交通安全を心掛ける街になるきっかけになれば」と話している。