青学大「天下の険」制し、初の往路優勝果たす
箱根駅伝で5区の神野が歴史的快走、2位明大に大差5分
青学大の原監督はレース前にこう話していた。「4区を終えて(トップと)2分差なら逆転できる」。だから5区の神野につなぐ前に往路優勝を確信した。トップの駒大とは46秒差の2番手だった。
山登りを託した3年生エースの走りは、期待をはるかに上回った。あっさり首位を奪い、往路を終えて2位に約5分の大差をつける歴史的な快走。チームは興奮に包まれた。
4区を務めた1年生の田村が区間新記録の力走を見せた。追い上げムードでたすきを受けた神野は「いい流れで持ってきてくれた。あとは自分がやるだけ」。ハイペースで天下の険を駆け上がった。中間点に達していない10キロ付近で先頭の駒大・馬場を捉えると、少し並走した後に力強く突き放した。
「我慢することには自信がある」と言う神野。その後の長い一人旅でもリズムを崩さず、監督の予想より1分以上も早い1時間16分15秒でゴールへ飛び込んだ。今大会は一部コースが変更されたため単純比較はできないが、5区で活躍し「山の神」の異名を取った東洋大の柏原竜二の記録を24秒上回った。「ここまで走れるとは」。神野も自身の底力に驚いた。
近年、距離が伸びて重要性が増した5区で、ライバルに決定的な差をつけた青学大。「想像もしなかった貯金。あしたは守りに入らないようにしたい」。念願の総合優勝へ大きく前進し、原監督の声が興奮で上ずった。