国際チーム、96億光年先に「宝石銀河団」


質量は太陽の400兆倍、愛称は「ジョイエッロ」

国際チーム、96億光年先に「宝石銀河団」

 地球からくじら座の方向に約96億光年離れた巨大な銀河団の質量は太陽の約400兆倍と推定されると、イタリア国立天体物理学研究所などの国際チームが24日までに発表した。

 米チャンドラ天文衛星のX線、欧州のハーシェル宇宙望遠鏡の赤外線、日本のすばる望遠鏡の可視光での観測を重ねた銀河団の画像では、高温ガスのほか星が続々と誕生している銀河が紫や赤などに輝いている。愛称はイタリア語で宝石を意味する「ジョイエッロ」と名付けられた。

 銀河団は銀河が重力で多数集まったもので、形成過程では直接観測できない謎の暗黒物質の重力が大きな役割を果たしていると考えられている。宇宙が約138億年前にビッグバンで誕生してから42億年後の段階でこれほど巨大な銀河団が出現するとは予想していなかったという。

 論文は米天文学誌アストロフィジカル・ジャーナルに掲載された。