上野-札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」引退へ


JR、半世紀以上続いた「ブルートレイン」の歴史に幕

上野-札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」引退へ

来年3月での引退が発表された寝台特急「北斗星」のブルートレイン車両。JR北海道の室蘭線大岸駅付近をDD51形ディーゼル機関車の重連にけん引され走行した=2013年9月

 JR東日本などは19日、来年3月のダイヤ改正に合わせ、東京・上野と札幌間を結ぶ寝台特急「北斗星」の定期運行を終了すると発表した。青い客車が特徴の「ブルートレイン」として最後まで定期運行を続けていた北斗星の引退で、半世紀以上続いたブルトレの歴史に幕が下りることになる。

 発表によると、車体の老朽化に加え、北海道新幹線の走行試験などで運行時間が確保できなくなることが理由。ただ、定期運行終了後も来年8月ごろまでは、臨時列車として運行するという。

 上野から札幌まで約16時間をかけて走る北斗星は青函トンネルが開通した1988年3月に運行開始。一時期は毎日3往復運行されていたが、2008年からは1往復に減っていた。

 鉄道博物館(さいたま市)の宮田健さんによると、初のブルトレは58年10月に登場した寝台特急「あさかぜ」(東京-博多)。10年後のダイヤ改正では、特急増発に伴いブルトレも大きく増えた。

 しかし、75年3月に山陽新幹線が博多に延伸されて以降は、徐々に長距離移動の花形としての立場を明け渡し、数を減らした。宮田さんは「新幹線や旅客機が発達し、一方で寝台特急のコストが高かったことが減少の背景にある」と話した。