赤れんが駅舎の東京駅、20日に開業100年


太田国交相も参列し記念式典を開催、特別列車「富士」も登場

赤れんが駅舎の東京駅、20日に開業100年

東京駅開業100周年を記念し、出発する特別列車「富士」=19日午後

 赤れんがの駅舎で知られるJR東京駅が20日に開業100年を迎えるのを前に、JR東日本は19日、記念式典を開いた。冨田哲郎社長は「東京駅は日本の近代化の象徴として歩んできた。これからも発展の中心でありたい」とあいさつ。太田昭宏国土交通相も参列し、「次の100年も多くの人に愛されるように」と願いを込めた。

 姉妹関係にあるオランダ・アムステルダム中央駅と米ニューヨークのグランドセントラル駅の運営会社幹部らが招かれ、江藤尚志駅長から東京駅の模型や版画などを贈られた。

 式典に先立つ同日午後2時、かつて九州に行き来したブルートレイン「富士」が記念列車として登場。JR東海と東京メトロの東京駅長も加わり、江藤駅長とともに出発を合図し、次の100年へと列車を送り出した。

 東京駅は全国の鉄道の中心となる「中央停車場」として計画され、1914年12月20日、国鉄の駅として開業。東海道新幹線と東北新幹線に加え、東海道線や中央線などの在来線のホームには、起点を示す「0キロポスト」が設置されている。

 線路西側の丸の内方面に建つ赤れんが駅舎は45年に空襲で一部が焼失し、一時は2階建てに規模が縮小。その後復元工事が進み、一昨年に建設当時と同じ3階建てに戻された。外国大使が来日した時には、駅舎の前から皇居に馬車で赴くなど、東京の玄関口として親しまれている。

 一方、東側の八重洲口には、店舗などが入る新しい駅舎が昨年完成。来年は上野東京ラインが開通して、高崎線や常磐線などが乗り入れるなど、新たな動きも続いている。