「往く道は精進、悔いなし」


高倉健さん「最期の手記」

「往く道は精進、悔いなし」

文芸春秋2015年新年号に掲載された「高倉健 最期の手記」

 俳優、高倉健さんが83歳で死去する4日前の11月6日に書き上げた手記が、10日発売の月刊誌「文芸春秋」1月号に掲載された。終戦の日の記憶に始まり、新人俳優時代から代表作「八甲田山」の撮影など、人生の節目を率直に振り返っている。

 任侠(にんきょう)シリーズを上映中の映画館で観客の熱気に触れた感激や、多忙の中、撮影所を抜け出し「数十日間の孤独なストライキ」を断行した思い出もつづる。極寒の撮影に耐えた「八甲田山」では森谷司郎監督の「どうしてそんなに強いの?」の問いに「生きるのに必死だからですよ!」と答えた逸話も語られる。

 「僕に一つの道を示し続けて下さっている」と言う比叡山大阿闍梨の故酒井雄★(哉の戈を弋に)氏から贈られた座右の銘「往(ゆ)く道は精進にして、忍びて終わり、悔いなし」を引いた上で、手記は「合掌」の一語で静かに締めくくられている。