鷲花道飾れず、グラウンドを去る星野仙一監督


楽天今季最下位、闘将最終戦も敗れる

鷲花道飾れず、グラウンドを去る星野仙一監督

退任セレモニーの後、グラウンドを一周して観客にあいさつする楽天の星野監督=7日、コボスタ宮城

 延長十回。最後は岡島が空振り三振に倒れ、満員のスタンドはため息に包まれた。今季限りで退任する星野監督のラストゲーム。勝利で指揮官を送り出すことはできなかった。

 則本は8回1失点、10奪三振。しかし、打線が力投に応えられなかった。一回に西田の犠飛で先制したものの、五回無死満塁の絶好機で無得点。得点力不足に泣いた今季を象徴するシーンだった。

 試合後は盛大な退任セレモニー。大型スクリーンで星野監督の就任以来の歩みが映し出された。東日本大震災に見舞われた1年目。若手が伸びてきた2年目。初の日本一を達成した3年目。新興球団を、戦うチームに成長させた指揮官に、観客から惜しみない拍手が送られた。

 4年目の今季は春先からチームが低迷。自身も腰の手術で2カ月も戦列を離れた。「まさに昨年と今年は天国と地獄。痛切に責任を感じ、きょう限りでユニホームを脱ぎます」。ファンへのあいさつに、悔しさがにじみ出た。

 昨季の日本一から一転、最下位が決定。マイクの前で、こうも続けた。「勝負の世界は喜びと悲しみが入り交じる。最下位からまた、みなさんを喜ばせようという選手になってもらいたい」。若い選手に雪辱を託し、闘将はグラウンドを去った。