化粧品が免税拡大に商機、中国人観光客に人気


外国語接客を特訓中、英語・中国語・タイ語の専用アプリ導入

化粧品が免税拡大に商機、中国人観光客に人気

資生堂の中国語などに対応した外国人観光客向けアプリと、「SHISEIDO」のロゴが入った化粧品用の外箱=29日、東京都港区の資生堂本社事業所

 訪日外国人が百貨店などで買い物をする際の免税対象に、10月1日から化粧品が加わった。日本の化粧品はブランドに信頼感があり、中国やタイからの観光客に人気だ。観光庁によると、2013年の訪日客の消費額は1兆4167億円と過去最高。化粧品各社は商機を逃すまいと、外国語での接客や、訪日客にまとめ買いを勧めるなどの販売促進に力を入れている。

 最大の障壁は言語だ。資生堂は関東や近畿の十数店舗で、美容部員が持つタブレット型端末に、英語と中国語、タイ語を扱える専用アプリを導入した。外国語表示で、肌の相談に応じたり、ブランド別に商品を探したりできる。資生堂広報部は「肌に合う化粧品を選んでほしいという声が多い」と、最近の訪日客の傾向を説明する。

 訪日客向けに化粧品を入れる外箱もリニューアルし、「資生堂 銀座 東京」をアルファベット表記した「SHISEIDO GINZA TOKYO」の文字を並べ、日本製を前面に出した。

 ポーラ・オルビス傘下のアクロ(東京)は、主に百貨店で展開するブランド「スリー」の販売員を対象にした英会話スクールを8月開講した。週1回の受講で、外国人に十分な商品説明を行える語学力を半年で取得することを目指している。

 カネボウ化粧品(東京)は、お土産用に化粧品のまとめ買いを促す取り組みを進めている。10~11月に、中価格ブランド「スイサイ」の洗顔パウダーを12箱買うと、美容マスク3枚がおまけに付くサービスを一部店舗で行う。洗顔パウダーは中国人に人気で、「まとめ買いで愛用者拡大を促したい」(広報グループ)と意気込んでいる。