リニア実験車両「L0系」で時速500キロ


山梨県の実験線で、JR東海が報道陣に公開試乗会

リニア実験車両「L0系」で時速500キロ

リニア実験線を走る車両「L0系」の車内。モニターに速度が映し出されている=22日

 東京-名古屋間を最短40分で結ぶリニア中央新幹線の着工を今秋に控え、JR東海は22日、最新の実験車両「L0系」を山梨県の実験線で報道陣に公開した。7両編成のうち2両を試乗用とし、時速500キロの世界を披露した。

 L0系の車内は、通路を中央に挟んで座席が左右2席ずつ並ぶ。現在の東海道新幹線より1席分少ないため横幅が狭く、窓は小型の楕円(だえん)形。旅客機の機内のような雰囲気だ。

 リニアはまず、タイヤを使って走りだす。わずかな振動とともに「ゴゴゴ…」と走行音。時速約170キロで静かに浮上走行に切り替わり、加速するにつれ再び音や揺れが増す。実験線は大半がトンネルのため景色はほとんど見えず、車窓を照明の明かりが流れる。

 時速500キロに達すると、「ゴーッ」と空気を切る音が続くが、会話に支障はない。現行車両のN700Aより揺れを感じるが、飲食やパソコンの使用には問題なさそうだ。

 JR東海は一般の人を対象に、L0系で初の有料体験乗車会を11~12月に開く予定。山梨実験センターの遠藤泰和所長は「技術のブラッシュアップ(磨き上げ)のため、日々走行試験を行っている。完成度の高さを体験していただきたい」と話した。