クマノミ稚魚、潮の流れに乗って400キロ移住
国際チームがアラビア海沿岸で調査
アラビア海に面したオマーン沿岸では、イソギンチャクと共生するクマノミ類の稚魚が潮の流れに乗って約400キロも離れた所に移住することがあると、英エクセター大などの国際研究チームが22日までに米科学誌プロスワンに発表した。
オマーン沿岸には北部のマシーラ島付近と、約400キロ離れた南部のミルバート付近のサンゴ礁にクマノミの固有種の集団が生息している。二つの集団の間を稚魚の一部が移動し、交雑することで遺伝的な多様性が保たれており、サンゴ礁の生態系を保護する上で重要な発見という。
研究チームは北部の集団で約140匹、南部の集団で約260匹を捕まえ、胸びれの一部を採取して放した。この胸びれからDNAを抽出して解析し、比較した。
その結果、北から南へ移動して定着したクマノミが14匹、南から北へ移動したのが1匹見つかった。さらに、それぞれの集団で交雑して生まれた第二世代のクマノミも見つかった。
稚魚が移住の旅をするのは卵からかえって間もなく、体の大きさが1センチに満たない段階だという。