竹久夢二美術館、画家竹久夢二の少女画を発見


ベルリン滞在中の少女の水彩画とスケッチを1点ずつ

竹久夢二美術館、画家竹久夢二の少女画を発見

 竹久夢二美術館(東京)は16日、大正ロマンを代表する画家竹久夢二(1884~1934年)が33年ごろ、ベルリン滞在中に描いたとみられる少女の水彩画とスケッチ1点ずつを発見したと発表した。日本企業の現地駐在員に譲ったものと考えられ、夢二の足跡をたどる新資料となりそうだ。

 水彩画は、山並みや教会を背景にベンチに座った西洋の少女が描かれ、当時の夢二作品に見られる「夢生」の署名と印が確認できる。スケッチは当時9歳だった駐在員の娘の姿を墨などで写し取り、署名と「Berlin/2.juli 1933」の日付入り。

 両作品ともスケッチに描かれた女性の遺族が同美術館に寄贈を申し出て、存在が明らかになった。学芸員の石川桂子さんは「夢二の欧州滞在の最終盤に描かれたとみられ、従来の記録の空白を埋める重要な手掛かりになる」と話している。17日から同美術館で特別展示される。