環境車競争、クリーンディーゼルエンジンを搭載


マツダが新型「デミオ」を発売、「排ガス」イメージを一新

環境車競争、クリーンディーゼルエンジンを搭載

環境性能の高いクリーンディーゼルエンジンを搭載した新型「デミオ」の前で写真撮影に応じるマツダの小飼雅道社長=東京都港区

 ディーゼルエンジン車が環境配慮の「エコカー」として生まれ変わり、存在感を高めている。マツダは11日、環境性能が高いクリーンディーゼルエンジンを搭載した新型「デミオ」を10月23日に発売すると発表した。マツダが量販車種に導入したことで、ディーゼル普及で先行する欧州勢も交え、日本でも市場拡大に弾みがつきそうだ。

 ディーゼル車は、ガソリン車よりも低速域からの加速性能が高く、燃費が良いのが持ち味だ。ただ、大気汚染の原因となる有害物質が発生しやすかったため、排ガス規制強化とともに日本では2000年代に入ると、乗用車から姿を消した。

 しかし、エンジン改良が進み、排ガスから有害物質を除去する触媒技術も向上。欧州では、二酸化炭素の排出量がガソリンより少ないエコカーとして主流になっている。燃料の軽油はガソリンよりも約2割安い。日本でエコカーの代名詞であるハイブリッド車と比較しても「遜色ない経済的メリットがある」(マツダ幹部)という。

 マツダは12年にスポーツ用多目的車「CX-5」でクリーンディーゼルを導入し、3車種で国内累計10万台を販売。現在、国内シェアの6割を握り、さらに導入車種を広げる考えだ。三菱自動車が2車種をそろえるほか、ディーゼル本場欧州のドイツ勢も攻勢をかける。

 国内で6車種を販売するBMW日本法人のビー・エム・ダブリュー(東京)は今月、小型車「MINI(ミニ)」ブランドで2車種を追加。メルセデス・ベンツ日本(同)も、現行4車種に加え、15年後半に主力セダン「Cクラス」にディーゼルを導入する方針。フォルクスワーゲンは15年、アウディは16年に日本投入を計画しており、競争激化は必至だ。