超小型EVを市民の足に、トヨタが仏で実証実験
グルノーブル市で2人乗り「i-ROAD」などカーシェアリング
トヨタ自動車は12日、フランス東部のグルノーブル市で10月から3年間にわたり行うカーシェアリングの実証実験の開始式典を開いた。同社が試作した電気自動車(EV)を市民の足として活用してもらい、得られたデータを今後の製品開発に生かしたい考え。
実験では市中心部約4キロ四方の区域に27カ所の充電ステーションを設け、2人乗りの超小型EV「i-ROAD」など計70台を配備。会員登録した利用者がスマートフォンを使って空いている車両を探し、乗車後に目的地付近のステーションに返却する。料金は最初の15分で2~3ユーロ(約280~420円)。
式典には同市や仏電力会社の関係者らが出席。トヨタの内山田竹志会長は「環境に優しい未来の都市交通を築くことは、トヨタの新たな成長領域になる」とあいさつした。
実験は公共交通機関と自動車の連携を目指し、路面電車やバスの停留所から目的地までの数キロ程度の利用を想定。渋滞緩和や二酸化炭素(CO2)排出削減の効果が期待される。トヨタは実験の舞台として、公共交通機関が発達し、環境への意識も高いとされるグルノーブル市が最適だと判断した。(グルノーブル〈仏東部〉時事)