エストニアの女流詩人/クリスティナ・エニンさん
「タッチ(触れ合い)」を作詞
7月初めにエストニアの首都タリンで開催されたソング・フェスティバルのテーマ曲「タッチ(触れ合い)」の作詞を任せられた。「望むなら燃えるような形相で触れてください。痛々しくも、美しくしてください。青、黒、白の目が私にもう一度触れ合うようにしてください、お願いします」の歌詞で始まるテーマ・ソングは、人々が本心を通じて一体感を味わうことの大切さをうたい上げている。会場全体は静かに流れるこの歌に感動した。
「“タッチ(触れ合い)”を作るのはやさしくなかった。集中するのに長い時間を要した。日本の俳人のように、花を見回した後でも作り上げるのに何年もかかることがある。人々や自分自身、社会を長い間見て、そこに流れているムードを感じ取って書いた」と語る。
1977年生まれ。タルトゥ大学で比較エストニア民俗学を専攻。これまでにエストニアの自然と文化に根差した詩集6冊や童話などを出版。その幾つかは英訳もされている。2005年にエストニアで最高の詩に与えられる賞を受賞。英語圏を中心に国際的な芸術・文学フェスティバルに招待されており、気鋭の女流詩人とも言われる。