120人の大合奏、標高2200メートルの山頂付近で


スイスの山村ナンダで、山に響くアルプホルンが観客を魅了

120人の大合奏、標高2200メートルの山頂付近で

標高約2200メートルの山頂付近で、アルプホルンの愛好家らおよそ120人が披露した大合奏=27日、スイス南部バレー州ナンダ(時事)

 スイス南部バレー州の山村ナンダで27日、スイスの伝統楽器アルプホルンを競演する恒例のイベントが開かれた。標高約2200メートルの山頂付近でおよそ120人の奏者がずらりと並んで大合奏。独特の柔らかい音が山に響き渡り、大勢の観光客を魅了した。

 アルプホルンは、もともとスイスなどの山岳地で通信手段として使われていた民族楽器。材料にトウヒの木が使われ、長さは3・4メートル。トランペットのように唇の振動で奏でられた音は、最大10キロ先まで届くという。

 大合奏には刺しゅうの入った衣装、帽子を身に着けたスイスやフランス、ドイツの愛好家らが参加。ゆったりとした音が響く中、スイス国旗などをバトンのように宙に舞わすパフォーマンスが披露された。

 イベントでは演奏の技を競うコンクールも行われ、フランスのチームが優勝。メンバーのロベルト・スコットンさん(55)は「アルプホルンの不思議な音色のとりこになって、ここまで続けてきた」と語った。(ナンダ〈スイス南部〉時事)