五藤光学研究所、恒星9500個の色を再現


新プラネタリウム「ケイロン3」を開発

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新開発のプラネタリウム「ケイロン3」(左)と、五藤光学研究所の開発責任者笠原誠さん=22日午後、東京都府中市の五藤光学研究所

 夜空で肉眼で見える明るさの恒星約9500個の色を再現したプラネタリウム「ケイロン3」を五藤光学研究所(東京都府中市)が開発し、報道陣に22日公開した。恒星は大きさや「年齢」によって青白かったり赤かったりするが、欧州の天文衛星の観測データに基づき、忠実に再現した。

 開発責任者の笠原誠さん(52)は「自然な星空に近づいた。将来は天の川が夏は赤っぽく、冬は青っぽく見えるような季節感もうまく出せたらと思う」と話した。

 ケイロン3は、2012年に「最も先進的なプラネタリウム」とギネス世界記録に認定され、多摩六都科学館(東京都西東京市)と長崎市科学館に導入されたケイロン2の後継機。ケイロン2は白色発光ダイオード(LED)を光源とし、約1億4000万個もの星を大型ドームに投影して天の川を精密に再現した。

 ケイロン3は星の数は1億個強に減らしたが、肉眼で見える6・55等までの全恒星について、微妙に色合いが違う白色LEDやフィルターを使って色を再現した。本体は直径48センチに小型化したが、本体のみの価格は約1億円とケイロン2と変わらない。