アポロ11号月面着陸、きょうで45周年


NASAはアポロの業績を訴え、火星を目指す

アポロ11号月面着陸、きょうで45周年

星条旗と共に月面に立つバズ・オルドリン宇宙飛行士=1969年7月20日(EPA=時事)

アポロ11号月面着陸、きょうで45周年

月面に立つアームストロング船長とオルドリン飛行士=1969年7月20日(AFP=時事)

 米航空宇宙局(NASA)が1969年7月、アポロ11号で人類史上初めて、月面に宇宙飛行士を送り込んでから20日(日本時間21日)で45周年となる。NASAはこの機に改めてアポロの業績をアピールし、「次の大きな飛躍」として火星有人探査実現の機運を盛り上げたい考えだ。

 NASAのボールデン局長は45周年に寄せたメッセージで、月面着陸を果たした宇宙飛行士をたたえ、その精神が「困難だがやりがいのある火星への道」に生きていると評価。「人類にとって次の大きな飛躍へ踏み出す」と意欲を見せた。「大きな飛躍」はアポロ11号のアームストロング船長が月面への一歩を表した言葉だった。

 NASAは、フロリダ州ケネディ宇宙センターの重要施設を、2012年に亡くなったアームストロング氏の名前に改名する式典など今後2週間にさまざまな記念行事を予定している。米東部時間20日夜(日本時間21日午前)には、インターネットで視聴できるNASAテレビで、月面へ踏み出すために宇宙船のハッチが開いた同じ時間に、歴史的な月面歩行の映像を放送する。

 NASAがアピールに力を入れる背景には、技術・財政面の懸念から火星有人探査に疑問の声が出ている現実がある。米学術研究会議は議会の要請を受けて6月にまとめた報告書で、「現在の横ばいか、インフレ調整された予算でさえ、火星への進路は開けていない」と断言。一案として、毎年5%の予算増が必要だとの見通しを示している。(ワシントン時事)