光放った日本の両雄
球宴でダルビッシュと上原が好投
現在の大リーグで日本選手が果たしている役割は小さくない。特に、野手の存在感がやや薄れているのに対し投手陣の評価は年々、高まっている。レンジャーズのダルビッシュとレッドソックスの上原。先発、抑えの両雄が、そんな現状を象徴する投球を見せた。
ともに球宴で投げるのは初めて。3番手で三回を任されたダルビッシュは、まずプイグ(ドジャース)から見逃し三振。さらにトロウィツキー(ロッキーズ)とゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)の3、4番を打ち取った。14球で3人を封じると「これだけのメンバーの中で3番目に投げさせてもらえて、すごく光栄。楽しめた」と満足した。
球宴を彩る1球もあった。「球場のファンが喜ぶ」とのサービス精神から、現在ナ・リーグ首位打者のトロウィツキーに落差の大きな90キロのスローカーブ。惜しくもボール球になったが、「顔の前をよぎっていった。あんなのが来るとは予期していなかった」と相手を驚かせた。
上原は六回2死三塁のピンチに投入され、メソラコ(レッズ)から空振り三振。こん身の4球で火消しに成功し「自分の野球人生で、いろいろ語れるうちの一つになる」と意義を実感した。
日本人投手が球宴のマウンドに立ったのは、2007年の斎藤隆(当時ドジャース)以来7年ぶり。ダルビッシュのように選ばれてもシーズンとの兼ね合いで投げないケースがあったが、今年は違った。ヤンキースの田中将がけがで出場できなかったのは残念だが、2人のパフォーマンスは補って余りあるものだった。(ミネアポリス時事)