TPP日米の実務者協議が東京都内で再開


「厳しい協議が続く」、牛・豚肉の膠着打開を探る

TPP日米の実務者協議が東京都内で再開

環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐる日米の実務者協議を前に握手する大江博首席交渉官代理(右)と米通商代表部のカトラー次席代表代行=30日午前、外務省(代表撮影)

 環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐる日米の実務者協議が30日、東京都内で再開した。日本の牛・豚肉輸入に関する関税やセーフガード(緊急輸入制限)など、こう着状態に陥っている農産物重要5項目の扱いで一致点を見いだせるかが焦点となる。米国が日本の輸入規制の緩和を求めている自動車貿易問題も議論する見通しだ。

 日本側は大江博首席交渉官代理が農業分野を、森健良経済外交担当大使が自動車分野を担当。来日した米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行と2日間にわたり協議する。大江氏は協議に先立ち、「少しでも前進できるよう頑張る」と記者団に述べた。

 日米両政府は4月のオバマ大統領の来日時に、重要5項目について関税引き下げやセーフガードの導入などの組み合わせで、妥協点を探ることで一致した。だが米国内では、11月の議会中間選挙を前に議会や農業団体から日本に関税撤廃を求める声が強まっており、米政府は日本に譲りにくい立場にある。このため今回も、「厳しい協議が続く」(日本政府関係者)とみられている。