「アジアシフト」を加速、軸足に据える布石


イオンがカンボジア初出店、現地調達拡大が課題

「アジアシフト」を加速、軸足に据える布石

カンボジア1号店の開業式典でテープカットする(手前から)イオンの岡田元也社長、フンセン首相、岸田文雄外相=30日、プノンペン(時事)

「アジアシフト」を加速、軸足に据える布石

イオンのカンボジア1号店「イオンモールプノンペン」で買い物する家族連れ=29日、プノンペン(時事)

 イオンはグループの共通戦略として「アジアシフト」を進めている。カンボジアに続き、インドネシアにも今年度中に大型店を初出店する。人口が増加し、成長著しい東南アジアを軸足に据える布石だ。日本での大型店運営の経験を生かし、海外で事業規模拡大を狙う。

 イオンはマレーシアとベトナムに続く出店先として、「高い成長性」(広報担当)を理由にカンボジアを選んだ。日本貿易振興機構(ジェトロ)の道法清隆プノンペン事務所長は、「外資系の大型店は(プノンペンで)初めて。大型ショッピングモールが首都中心部に誕生し、流通・小売業の近代化に大きく寄与するだろう」とイオン進出の意義を指摘する。

 イオン大型店には、アパレルのワールドや家電量販のノジマ、吉野家やワタミも出店する。日本流の大型商業施設は、カンボジアの消費者に新鮮な印象を与えることになるだろう。

 ただ、「マレーシアや香港、韓国の企業も進出を決定し、現在、土地を造成中だ」(道法事務所長)という。イオンが海外企業との競争に勝つには、顧客を引き付けるための投資を続けていく必要がある。