判定新技術、W杯でお目見え
西村雄一主審、「消えるスプレー」を随所で使用
サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会には、判定補助のため導入された二つの新技術がある。ビデオカメラ映像を基にゴールの可否を判定する「ゴールラインテクノロジー」と、フリーキック(FK)の際に主審がボールなどの位置に目印を付ける「消えるスプレー」。ともに12日の開幕戦、ブラジル-クロアチアで活用された。
ゴール判定技術を導入するきっかけは、前回の南アフリカ大会。決勝トーナメント1回戦のドイツ-イングランドで、ランパード(イングランド)のシュートがクロスバーに当たり、明らかにゴールラインを越えたのに、審判が見落として得点を認めず物議を醸した。
合計4得点だった12日の開幕戦では、判定に戸惑うほどの際どいゴールはなし。それでもスタジアム内の大型スクリーンには、ゴールラインを通過したことを確認する再現映像が流れ、カメラ導入の成果を披露した。
消えるスプレーは、FKの際に壁となる相手選手が規定の9・15メートルよりボールに近づかないよう、白線を引いて規制するもの。白色は数分後に透明となって見えなくなり、西村雄一主審が随所で使用した。この試合に限っては、壁の選手がボールに少しずつ前進する違反を抑える効果があった。
試合が白熱するW杯の大舞台。二つのシステムにより、決定的に明暗を分ける場面があるかもしれない。(サンパウロ時事)