ブラジル不安な守備、破壊力の裏に課題
ブラジルが白星スタート、64年ぶり王国でW杯開幕
サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会が12日に開幕し、開催国ブラジルがクロアチアを3-1で退けた。史上最多を更新する6度目の優勝に向け、32チームで最初に手にした白星。鮮やかな逆転勝ちだったが、その裏に課題も見られた。
守備面に一抹の不安が残った。前評判ほど手堅い組織力を感じさせず、サイドを突かれた局面では明らかに浮き足立っていた。象徴的だったのは前半7分。左サイドを破られてオリッチに合わせられた。これはしのいだものの、4分後には右サイドの裏にできた大きなスペースを使われ、オウンゴールの失態で先制点献上。守備的MFとDFの役割分担について、確認作業が急務となった。
総じて強豪チームは大会後半に調子の波を持ってくるとはいえ、動きの硬さも目に付いた。カナリア軍団の威信を懸けて臨む地元大会。W杯に反対するデモなどピッチ外の騒がしさもある。「ホスト国の期待と重圧を乗り越えてくれた」。見えない敵に打ち勝ち、スコラリ監督は一息ついた。
もっとも、前半のボール保持率は65%。ネイマールの個人技、オスカルのセンスあふれる組み立てで始まる攻撃力は群を抜く。それだけに守備の修正が必要。「課題を消化し、進化しないといけない」。64年前に逃した地元優勝を見据えて、指揮官は手綱を締めた。(サンパウロ時事)